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ゆきの物語

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RE: ゆきの物語

Postby richvh » Mon 08.06.2007 10:16 pm

Chapter 59. This was a short (well, relatively) chapter.

第五暑繽ヘ
冬の活動

それから毎晩、吟遊詩人はゆきの茶会で歌いました。前よりも城の者はゆきの客になりたくなりました。招待がなければ、茶会中に廊下で集まって聴く者が多かったのです。

でも、若殿がそのような者達が廊下に群がる光景を好ましくありませんでした。「廊下は、渡ったり、そこから部屋に入ったりするための場であるべきだ。お前の茶会を食堂に移した方がいいだろう」とゆきに言いました。

そういうわけで、その後の茶会は城の食堂で催されました。夕食が終わった後で、ゆきはその晩の客を高座に呼んで、お点前を披露しました。一方、吟遊詩人は琴を引いて歌い始めました。時々高座から下り、歌いながら食堂を渡り歩きました。

日中に吟遊詩人はゆきか狐子などと会い、ゆきについて質問をしました。相手の答を紙に記録しました。その日の質問が終わると、たいてい自分の部屋に戻って、その日の記録を勉強したり前の日々の記録と比べたり次の日の質問を組み立てたりしました。しかし、相手が狐子なら、時々 吟遊詩人は彼女と残り狐子と彼女の家族のことについて話しました。そういうことは記録しませんでした。その間、どちらかの一人は相手が知らない呪文を自分が知っているのに気が付いて、相手に教えました。

吟遊詩人が何回老中と会うように頼んでも、老中はいつも会いを否みました。茶会も避けたかったが、狐子が頼んだのなら、参加しました。

町人が吟遊詩人のお点前という奄?キくと、茶会の間に食堂でもおるようにという願いを城に送ることが増えました。若殿は、願いという手紙の数を見ると、「そのように多い者が食堂にいることができない。しきしながら、この数を許す」と言いました。それから、毎日、その日の願いという人の名前は箱に入って、許した数の名前を引き出しました。その人は、雪が降って道に積み上げても、強い冷たい風が吐いても、その晩城へ歩いてきました。


Edit: some corrections from miha

第五暑繽ヘ
冬の活動

それから毎晩、吟遊詩人はゆきの茶会で歌いました。前よりも城の者はゆきの客になりたくなりました。招待がなければ、茶会中に廊下で集まって聴く者が多かったのです。

でも、若殿はそのような者達が廊下に群がる光景を好ましく思いませんでした。「廊下は、渡ったり、そこから部屋に入ったりするための場であるべきだ。お前の茶会を食堂に移した方がいいだろう」とゆきに言いました。

そういうわけで、その後の茶会は城の食堂で催されました。夕食が終わった後で、ゆきはその晩の客を高座に呼んで、お点前を披露しました。一方、吟遊詩人は琵琶を引いて歌い始めました。時々高座から下り、歌いながら食堂を渡り歩きました。

日中に吟遊詩人はゆきか狐子などと会い、ゆきについて質問をしました。相手の答を紙に記録しました。その日の質問が終わると、たいてい自分の部屋に戻って、その日の記録を勉強したり前の日々の記録と比べたり次の日の質問を組み立てたりしました。しかし、相手が狐子なら、時々吟遊詩人は彼女と残り狐子と彼女の家族のことについて話しました。そういうことは記録しませんでした。その間、どちらかの一人は相手が知らない呪文を自分が知っているのに気が付いて、相手に教えました。

吟遊詩人が何回老中と会うように頼んでも、老中はいつも会うことを拒みました。茶会も避けたかったが、狐子が頼んだのなら、参加しました。

町人が吟遊詩人のお点前をするという奄?キくと、町人は茶会のとき食堂に招待してほしいという『お願いの手紙』を城に出すことが増えました。若殿は、願いという手紙の数を見ると、「そのように多い者が食堂にいることができない。しかしながら、この数を許す」と言いました。それから、毎日、『お願の手紙』が箱に入っていて、許された人数分だけ引き出しました。その人は、雪が降って道に積み上げても、強い冷たい風が吐いても、その晩城へ歩いてきました。
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Richard VanHouten
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RE: ゆきの物語

Postby richvh » Sun 08.12.2007 10:58 pm

Chapter 60 - no corrections yet on this one

第六緒ヘ
狐の到着

その頃、狐子が茶会の後で食堂を出ろうとすると、彼女の前に狐が見える。狐子は一瞬呆然と狐を見つめてから、「父さん!どうしてここにいるの?」と聞きました。

「まだ決定を待っている。狐子や、どの狐と結婚するのだ?」と狐が言うと、狐子は「ええと、実は…」と言い、狐子の横に老中が現れました。「狐さま、はじめまして。昔からお嬢さまのことが好きなのでございます。狐子さまと結婚させていただければ、本当に嬉しくなるのでございます」と深く頭を下げながら言いました。

狐は首を横に傾きました。「人間なのだ?やはり、この子なら、いつも人間のことだ」と呟くと、狐子の向かい側に吟遊詩人が現れました。「そなたは狐子さまのお父上なのでございますか?お嬢さまは本当に性格が良い者なのでございます」と深い会釈をしました。

老中は硬い目で狐子の頭の上に吟遊詩人の方を見たが、吟遊詩人は気がつかなさそうでした。狐子は罠にいるような顔をして左右を見ました。

「やれやれ、もう一人の人間か?いや、人間じゃない。狐の呪文の跡を感じている」と呟くと、声を上げました。「三人とも、人波を出ましょう」と言って、尻尾を振りながら食堂を入って、三人を高座の方へ連れていきました。

食堂を出ようとしている者たちが狐を見ると、呆然と止まって狐たちを見つめました。そのうちにこのような会話が聞こえました。

「狐が!」

「妖怪が!」

「莫迦な!狐は妖怪じゃない!殿様の味方のうち、妖怪に対して戦う狐がいるよ!」

「はるほど」

ゆきと若殿はまだ高座にいました。ゆきは狐を見ると、「狐どの─いや、狐叔父上、久しぶりですね。どうしてこんな悪い天気の時に来ようと決めましたか」と言って、お茶を点て、狐に振り舞いました。

狐はお茶を飲みながら狐子の方を見ました。「この子があの話をしましたか?」

狐子は父親に見返しました。「まだ子じゃない!」と言ってから、顔が真っ赤になって、目を下ろしました。「とにかく、伯母上が許してあげた」と呟きました。

狐は首を横に傾きました。「そうか?なるほど。もしかして姉はようやく忌が上げている。姉と会った方がいいだろう」と言うと、老中の方を見ました。「あなたはこの国の老中なのですね。昔から娘のことが好きだと言いました。いつ、どうやって初めに狐子と会いましたか?」と尋ねました。

「ゆき様の父上が籠城していた間でございました。その前に赤毛の女の子が父上みたいな男の人と一緒に城に来ることに気が付きましたが、会うほどを言ってはしません。その時、狐子さまがいつも他人を手伝っているようでしたので、気に入ったのでございます。落城の後で、私が狐子様から離れてしまって、ゆき様が帰ってくるまで狐子様を見つけることができませんでした」

老中がそう言ってから、狐は人間の姿に化けました。「その赤毛の女の子が一緒にいた男の人、このようでしたか」と問いました。

老中は眉を顰めました。「そうですね。曙ワ年間以上がかかったから、よく覚えることができませんが…そうと思います」

まだ残っている人々がそれを見ると、このような会話が聞こえました。

「それを見た?」

「見た、見た!狐が人間に化けた!」

「狐子様が狐に化けたという奄?キいたが、信じていなかったんだ!」

それを聞くと、若殿は声を上げました。「傍観者の目が一杯でしょう。私的な部屋に行きましょう」と言うと、私的な戸で狐たちを連れて出て行きました。
Richard VanHouten
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RE: ゆきの物語

Postby richvh » Thu 10.25.2007 10:17 am

It's been a while since I finished a chapter - here's Chapter 61:

第六処齒ヘ
琵琶法師の話

若殿達が部屋に入ってから、若殿は声を上げました。「狐どの、狐子さんが数週間ここにいるのです。どうしてこのような雪が降っていて、風が吹いている夜まで待ちましたか」

「狐なら、どこかへ行きたければ、天気が悪くても高「ません。この子の決心を待っているのは私だけではありません。紹介した狐たちと、彼らの族長たちもいますよ。狐子はいつ、誰と結婚するかという問い合わせが山のように来ているから、ようやく娘の思いを尋ねてみようと思いました」と狐は言うと、狐子の方を見ました。「お前、誰と結婚するつもりだ?」

狐子は息をつきました。「まだ分からない」と彼女が言うと、老中は顔を落しました。「でも、あんな人間に興味がない狐なんかと結婚したくない」

狐は頷きました。「なるほど。この結婚したいと言う人間なら?」

狐子は老中の方を見ました。「そうね。したいと思っていたが、伯母上のことを思い出すと、少し不安です」狐子は琵琶法師の方を振り返りました。「この琵琶法師が人間のことを知っているに違いないが…そんな天涯孤独の狐なんかと結婚したいかどうかまだ分からないんだ」

老中は肩を落としました。「私の何年もしたかったことは無駄だったのか。二年も捜し回りと、それから署粕N待ったのに彼女を不安にさせるだけだったとは?やめた方がいいだろう」と言って、立ち去ろうとすると、狐子は彼の足を留ませました。「ごめんなさい!思わずに言いました」と、狐子は老中を隅に引いて、静かな声で二人は喋りました。

狐はその光景を見ると、「娘が決められないのに、心が決めたらしいな」と呟きました。琵琶法師の方へ向かい、「人間の姿を普通にする狐は珍しい。娘がそういうことをするのは彼女の伯母のせいだよ。お前、どうして人間の姿をしながら人間の中に住み続けているのか?」と尋ねました。

「私がしたいことではないのでございます。ただ、しないを得ないことでございます。ある日、私が少年のころ、一人で林で遊んでからうちへ帰ると住みかに集まった天狗の群れに気付きました。空っぽな丸太に隠れて、天狗の出発を待ちました。それから私は住みかに怖々と近付いたが、そこには死体しか誰もいなかった。父も母も兄弟も皆は殺されたのでございます」

「恐怖をして逃げて逃げて林を渡り走りました。ようやく、疲れてお腹が空いてきて、人間の道のそばに横たえました。その間、歌に気付いてきました。悩殺のように視線を上げると、道を歩いて近付いてくる人間の老人が歌っていたのを見ました。彼が私の側に来ると、歌が切って、『神様にお礼を送りますように』と、乾肉片を道に置きました。それから老人は歌いながら歩いていきました。私は肉を食べてから彼の後を付けていきました」

「その夕、あの老人は町に着いて、建物に入りました。私は路地で隠れて待ちました。次の朝、彼が建物を出て旅を続けると、私は連れていって続けました。日が高くなった時、どこか道の側に彼は足を止め、食べました。その食べ物の部分を私の方へ地面に置いて、祈りました」

「そのように数日間続きました。ついに、姿を変化する呪いを覚えてから、私は勇気を集め、彼が昼食する間に人間の少年の姿に化けて、彼に近付いていきました」

「『小狐さま、こんにちは。これは粗末なものですが、食べ合いましょうか』と、彼は食事を分け、私と分かち合ってみせました」

「『さまなんか言えないでくれない?僕は平凡な者だけだよ』と、腰を下りて、飢えているように口にしました。それから、彼はいつも私を『平凡』と呼びました」

「数年間私はその琵琶法師の老人と一緒にあちらこちらに渡り歩いて、弟子のように琵琶などの楽器の引き方や色々な歌を習いました。しかしながら、ある日、道を歩きながら彼は胸を抱いて、倒りました。私は手伝ってみても、何もできませんでした。『平凡や、お前は息子がいないわしにとって息子になったよ。このように離れるのは辛いが、今はわしが次の命を始める時だろう。全てをお前に残してやる。さようなら』と言って、すぐに彼の辛い息が止まりました。私の先生≠「や、私の唯一の友達≠ヘ亡くなったのでございます」

「道辺でお墓を掘り、そこで彼を葬りました。それから私は少年むしろ成年の姿に化けて、取り止めのない旅を続けました。ですが、その旅は前より寂しくなったから、狐と棲むことが懐かしかった。それで、狐の住処の行方という奄?Tし始めました」

「時折、そういう奄?イべると、住処を見つけることがありました。しかしながら、いつもいつもその住処に入るように頼むと、返答は『ここはお前のような狐より人間のことを知っており、一本だけの尻尾があって、天涯孤独の奴は要らぬ。出ていけ!』というようなことでした。それから、人間の世界に戻って、琵琶法師のように国から国へ、城から宿へ、次の奄?Tし続けました」

「ようやく、今年の秋、狐と関係がある国の新しい大名について奄?キき始めました。その国に近付いて奄?イべると、大名よりゆきという大名の妻は狐と関係が強いようでした。それに、ゆき様について面白い奄ヘ山のように重ねました」

「こちらに着くと、前の所より優しく扱いました。特に驚くことは、他の人間の姿をしている狐はこちらに住んでいるというのです。よろしくお願いします」と琵琶法師が言うと、狐の方へ向かって深く頭を下りました。

狐は首を傾げました。「まだ尻尾が一本しかないんだと?お前、渡り歩きながら、何も呪いなど習わなかったのだ?」

「その間、呪いなどを教えてくれる者はいなかったのに、時折自分で粗末な呪いをひょっこりと作りました。最近、お嬢様は教えてくださっています」と琵琶法師は言って、狐子の方を見ました。

「そうか」狐の目は琵琶法師の視線を連れていきました。「狐子や、ここに来なさい」と言うと、狐子は「はい、父さん」と言い、飛び上げて狐のところに来ました。老中は狐子の背後に連れてきました。

「本当にこの者に呪いを教えているのか?」と狐は訊くと、狐子は頷きました。「そう、お父様。その代わりに、私が知らなかった呪いを教えてくれているよ」と答えました。「簡単な呪いでも、とても便利なの」

狐は軽く頷きました。「そうか。よし、我が住処に来たら、我々はお前の実力を試してみる。数日後、何本の尻尾を値するのが分かるだろう」

「そうなんですか。でも、今は自分の決意ではございません。たとえ春までこの殿様の家来になったから勝手に去ってはいけません」と琵琶法師は言って、若殿を視線で指しました。

「やれやれ」と狐は呟いてから、若殿を向かいました。「では、甥、この琵琶法師の狐を数日間貸してもらえませんか。彼の実力を調べたいのです。娘の狐子はこの間彼の呪いの師になったようですから、彼女も一緒に三匹…」

「三人!」と狐子が言うと、狐は句読なし「で行ってきます」と続きました。

若殿は頷きました。「琵琶法師の音楽は本当に楽しんでも、ここにいる間、うちに争いをさせるようです。しばらく休んだほうがいいでしょうね。しかし、二週間後くらい、父上がここに来る嵐閧ェあります。その前に、彼を帰って連れてきてください」

「もちろん」と狐が言うと、狐子たちを向かって声をかけました。「狐子や、この琵琶法師の者の実力を試しに行ってくるぞ。一緒に帰れ」

「はい、父さん」と狐子は言いました。

老中は声を上げました。「殿、狐さまが許せば、狐子さんと一緒に行ってきたいです。数日間休ませていただきませんか。よろしくお願いします」と言いながら深く頭を下げました。

「ふむふむ。父上の訪ねるための準備がまだ終わらないので、辛いことだな」と若殿が言いうと、ゆきは声をかけました。

「あなた、許してください。老中の代わりに私が準備を取り締まりますから」と言いました。

「そうか?驚いている。お前も行きたいと思ったから」と、若殿は優しくゆきの頬を触れました。

「行きたいですが、いくら行きたくても、今は行ってはいけないのですもの」とゆきは言って、太っている腹を摩りました。

若殿は頷いて、狐を向かいました。「よし。この莫迦な老中と琵琶法師を一週間以内戻って連れてきてくれれば、二人が行っても高「ません」
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RE: ゆきの物語

Postby richvh » Sun 10.28.2007 2:26 pm

Chapter 62.

第六藷?ヘ
旅の初め

狐達が城を出ていくと、強い冷たい風が降っている雪を吹いていました。狐は声を上げました。「狐子や、先に琵琶法師を瞬間旅行で連れていって、人間用の住処を準備しなさいという命令を伝えたまえ。老中は私」と言いました。

「父さん、どうして老中は私と行けないの?それとも、みんなで行こう」と狐子は問いました。

「一週間しかないから、試験が明日の朝早く始まらなくてはいけないんだよな。お前も彼の師にとって参加しなければならないので、二人ともできるだけ早く着いて寝たほうがいい」と言いました。そして、老中に指さしました。「その人は瞬間旅行ができない。それに、彼はこんなに悪い天気に長い間に残っては駄目だよ。尻尾を三本しかしていないお前なら、彼の体重を持ってうちまで走っていくことができるかい?」

狐子は溜息をつきました。「分かった、分かった」と言いました。琵琶法師を向かって、「じゃあ、本姿に戻って行きましょう」と続けました。

「すみません。そういう呪いはまだ知りません」と琵琶法師は言いました。

「何を!まだ教えなかったっけ?…いや、そうじゃないんじゃないか。じゃあ、簡単なお呪いだから、すぐに習うでしょう。こうです」と言って、呪いの使い方を教え始めました。

「私を持って走る?何事ですか、狐様?馬で行くと思って…」と老中は困惑したように言いました。

「ほら、老中どの!今夜、この私はあなたの馬です!」と狐は言って、大きな黒い馬の姿に化けました。瞬間だけ七本の尻尾が見えました。「普通の馬より速く走れますよ!乗ってください」

「何?鞍も手綱もありません」と老中が言うと、狐はこう答えました。「そういう馬具は無理です。乗りなさい!」

老中が馬の姿をしている狐を乗ってから、狐は門へ小走で行きました。老中はさっき出た入り口を向かいました。渦巻いている雪を透かすと、瞬間だけそこには二匹の狐の姿が薄く見えました。もう一度入り口が見えると、その姿がもう消えました。
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RE: ゆきの物語

Postby richvh » Sat 11.03.2007 5:21 pm

Chapter 63.

第六庶O章
狐の土地へ

老中が乗っている馬の姿をしている狐が町を出ると、狐の速度は何倍も高くなりました。今は小走りで歩いていたむしろ実に駆けていました。夜の闇に、馬の肌から青い燐光で照り映えるようでした。

馬の足は雪肌の上に軽く踊るようでした。雪が高く重ねたところでも、雪肌を突き通りませんでした。

老中は冷たい風を感じることも、渦巻いている雪片に触れることもありませんでした。しかも、馬がそんな高い速度で走っていても、波のない水の上に滑っているような気がしました。

地面で重ねた雪と、老中たちの囲まれて渦巻いている雪以外、何も見えませんでした。

いつまでそのように続いたのが老中は分かりませんでしたが、ようやく狐は緩めました。林を入ったようでした。一つ一つ木が前で現れて、背後で消えました。

突然、空気は温かくなりました。風は切って、雪は小雨になりました。馬は足を止めました。夜の闇に一匹の狐が薄く見えました。「族長、命令の通り、人間用の住処が掘ってあげました」

「よかった。老中どの、降りてください。この方は寝室に連れていきます。私はうちへ。おやすみなさい」と狐の族長と言いました。老中が降りると、自分の姿に戻って、去りました。

待っている狐は立ち上がりました。「老中さま、こちらへ」と言って、歩き始めました。

老中はその青い燐光をしている狐をついていきました。「すみません、狐どの。お名前は?」と聞きました。

狐は「八狐と垂オます」と答えました。

「ハチコですか」と老中は聞きました。

「そうですよ。八つのハチ、狐のコです」と八狐は答えました。

二人は歩きながら、突然、闇の奥から冷笑が聞こえました。「ほら、あれを見ろ!人間だ!自分の住処なんかさえできない」

八狐は声を上げました。「黙れ、間抜け!こちらは族長のお客だぞ!」と叫びました。それから老中に言いました。「ごめんなさい。人間が好きではない狐もいますね」

「分かりました。狐が好きではない人間もいますから」と老中は答えました。

しばらくすると坂に着きました。その一面には人間の高さの入り口から青い光が来ました。

老中は八狐の背後にその入り口を入りました。さっき掘った土の匂いに気がしました。短い廊下の先には二畳の部屋がありました。その奥の寝台のそばには青く光っている玉がありました。寝台には布団がもう広がりました。

八狐は玉を示しました。「これを二回軽く叩くと、光は切ります。もう一度触れると、光を点けます」と言って、去ろうとしましたが、老中は彼の足を止めました。「すみません。狐子さんがもう着きましたか」

「はい。狐子さまはもうお宅で休んでいます。狐子さまのお連れもあちらで寝ています」

「あれ?一緒に寝ていますか?」と老中はびっくりと言いました。

八狐は笑いました。「とんでもない!族長の住処に色々な寝室がありますよ」と言って、去りました。

老中は着替えてから光の玉を叩いて、寝ました。
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RE: ゆきの物語

Postby richvh » Thu 11.08.2007 10:02 am

Chapter 64.

第六庶l章
子狐との出会い

翌朝、老中が目覚めると、部屋は出口からの光で薄く見えました。寝台の側には角盆がありました。老中は玉を触れて光を点けると、その盆の上には食事と手紙があることが見えました。老中は手紙を取って、読みました。

『老中さんへ』

『一緒に食べたくても、寝ている姿を見ると、起きさせることはできなかった。ごめんね』

『試験はすぐに始まるから、今は行かなきゃ』

『狐子より』

老中は手紙を読んでからそれを口づけて、折って、心のそばに置きました。それから、食事を食べたり着替えたりしました。

部屋を出ると、狭い谷にいることが見えました。その中央にある霧は小さな川を隠れるでしょう。空も低い雲に隠れました。

谷のあちこちには小さな穴が開いていました。一、二百匹の狐は谷のあちこちに歩いたり遊んだりしました。

「母さん、見て!妖怪がいるよ!」

老中は見回すと、その近くには小さな小狐は母親に老中を指さしました。

「妖怪じゃないよ。それはただ一頭の人間なんだ」と母親は答えました。

「人間は妖怪じゃないの?おじさんは人間の話をする時、いつも怖い」

「違うよ。人間は火を吸ったりしない。おじの話はおかしい」と母親は言って、老中に向かいました。「息子を許してください。まだ若くて、谷を出ることはありません。初めに人間を見ています」

「分かりました」老中が小狐たちに近づくと、小狐は母親の尻尾の下で隠れようとしました。老中は腰を下ろしました。「実は、人間が火を吸うことを見たことがある」

小狐は尻尾の下から覗きました。「本当?」

老中は頷きました。「祭りの時だった。旅役者のうちは一人が松明を持っていた。どうやっては分からないが、彼は松明のほうを吹くと、長い炎を吸うように見えた」

小狐は尻尾の下から一歩出てきました。「すごい!おまじないだったの?」

老中は肩を竦めました。「知らない。でも、普通の人間はおまじないなどができないから、巧みな手段だったかと思う」

小狐はもう一歩近づいてきました。「人間はおまじないができないの?全然?」老中が首を横に振ると、小狐は続きました。「僕でも簡単なおまじないができるのに?見て!」と言って、近くの小石で前足を置きました。前足を上げると、その小石は青く照り映えていて、しばらくして薄れました。

老中は小石を取り上げました。とても一般的な灰色の小石みたいでした。「私なら、できない。人間ができると、人間の姿をした狐かと思う」

「よくおっしゃいました」背後からの声でした。老中が振り返ると、そこに座っているのは八狐でした。

老中は立ち上がって、会釈しました。「おはようございます、八狐どの。狐子さんに会ってもいいですか」

八狐は首を振りました。「残念ですが、参加者しか試験場に入ってはいけません。ごめんなさい」八狐はくすくすと笑いました。「それに、人間の大きさなら、入り口に入ることはできませんね」

老中は近くの穴を見て、苦笑しました。「そういう入り口はそのほど小さいのなら、私もそう思います」

「今晩、狐子様にお会いになれるでしょう。今、お姫は老中様と会いたいとおっしゃっているので、お風呂や着替えを準備しています」と八狐が言ってと、老中は立ち上がって、親子に軽く会釈しました。「失礼します」と言って、八狐をついていきました。
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RE: ゆきの物語

Postby richvh » Sun 11.11.2007 12:31 pm

Chapter 65

第六曙ワ章
姫との出会い

老中が浴びるところは霧に隠れた温泉でした。浴びてから、老中は温泉の側にある岩に置いた着物を着替えました。それは六、七諸N前の侍の着物みたいでした。

「八狐どの、どうしてこのような着物ですか。私の身分に相応しくないと思います」と老中は聞きました。

「お姫のお願いなんです」と八狐は答え、立ち上がって、谷の向かい側へ連れていきました。

ついていく老中は声を上げました。「お姫さまは何者でございますか。身分の高い狐でしょうか?」

八狐は頷きました。「その通りですよ。族長の姉上なんです」と答えました。

「族長様のお姉さまですと?…人間と結婚していたお姉さまですよね」と老中が言うと、八狐はしばらく足を止めて、老中を見上げました。「その話を知っていますか」

「狐子さんがさっき、その話をゆき様達にしました。伯母さまが許したと言いました」と老中は説明しました。

「なるほど。じゃあ、お姫は待っております」と八狐は言って、また歩き始めました。

二人は谷から昇りました。しばらくして山霧に入りました。小径を歩いて、ようやく建物に辿り着きました。

その建物は宮より田舎侍の家に似ていました。その家の扉の側に八狐は腰を下ろしました。「お入りください」と言いました。

老中は「お邪魔いたします」と言って、扉を開きました。

その奥の部屋は確かに普通の田舎侍の家みたいでしたが、誰もそこに住まない気配がありました。

「お姫さま?」老中はうじうじと部屋に入ると、人影がうっさらと見えてきました。

突然、灯りがつきました。その光で人影は二庶l、五歳の美しい女の人のように見えました。女は若く見えても、目を覗きこむと、年が積もったような気がしました。

老中は深く一礼をしました。「お姫さま、初めまして。ゆきというご後裔の老中でございます。ゆき様の父上の時代、つまり、お孫さまの時代、お孫さまの廷吏でございました。よろしくお願いいたします」

女は深い溜息をつきました。「私はここにいる時、ただ侍の寡だと考えたいのです。姫なんかさまなんか言わないでください」

「たとえあなたさまが身分の高い狐だということを忘れても、主の祖先だということも、結婚したい女の伯母上だということも忘れることはありえません。垂オ訳ございません」と老中は言いました。

「結婚したい女と…?それは狐子ですよね?」老中が頷くと、女は首を傾げました。「では、一応『おば』を呼んでいいです。こちらに座りなさい。ゆきのことをつぶさに教えてくれませんか」と聞きました。
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RE: ゆきの物語

Postby richvh » Thu 11.15.2007 10:41 pm

Chapter 66

第六序Z章
晩の会話い

一日中、老中が詳しくゆきについて話しました。再三、女は話を遮って、もっと詳しい情報を受けるように質問をしました。

ついに、老中は女に退がらせられてくれました。家の外で待っていた八狐と一緒に谷へ戻っていきました。

老中の部屋に近づくと、その外に座っている赤毛の女が見えました。老中は手を上げ、声をかけ、足をもっと速く動かしました。「狐子さん!ただいま!」

狐子は立ち上がりました。「お帰り。どこに行ったの?」

「おばさまに会って、ゆき様のことを一日中話しました。頭が痛くなるほどおばさまは質問を繰り返した。明日、また来いとおっしゃった。疲れたよ」と老中は言って、腰を下ろしました。

狐子は老中に向かって腰を下ろしました。「どこで会ったの?人間の姿をすると、伯母ちゃんの住処に入ることなんかできないよ」

老中は谷の向かい側を指しました。「あそこの家だった」

「へえ…伯母ちゃんは全然誰でもあれに入ることは許さない!」

「今日は俺は許した…いや、招待した。…でも、この着物を着させられたんだよ。君、今日はどうした?」

「一日中琵琶法師さんがおまじないをすることを見て、彼がこのおまじないを覚えるかしらとか、彼にこのおまじないを教えてあげたかしらとか、と繰り返して思ってたわ。私の試験よりも辛いようだったんだよ」

「試験はいつまで?」

「いつまでかしら?たいてい、一日しかないが、他流なら、実力を見取る方が難しいよ。特にこの場合の我流…ところで、父が今晩、あなたと一緒に食べてあげたいと言ってた。すぐに行かなきゃいけない」と狐子は言って、立ち上がりました。

「へえ?どこ?お父様の住処に入れないだろうね」

「住処の外に天幕を張ったよ。行こう!」と狐子は言って、老中の手を取って、彼を引き立ち上げました。

二人は暗くなっている谷で狐子の住処へ歩き始めました。
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Postby richvh » Wed 11.28.2007 7:26 pm

Chapter 67.

第六庶オ章
族長との会話

食事の後で、狐の族長が老中と狐子に声をかけました。「二人とも、老中どのの願いを許すかどうか決める前に、話したいことがあります」

狐子たちが頷いてから、族長は続きました。「狐の人生は人間のより何倍も長いので、狐と人間の間の結婚はいつも難しいですよ。狐の場合、配偶者が早く年を取って、結局死ぬのを見るので、悲しくなります。人間の場合、配偶者が狐ということを知っていると、狐の配偶者が年を取るふりをしても、人間の配偶者が年を取らないこと…実をいえば、もっと遅く年を取ること…を考えざるを得ないので、狐の配偶者のことを羨みたり嫌ったりするでしょう」

「それに、狐が年を取るふりをせずに長い時間人間の世界に住むと、人間の配偶者がその狐のことを羨みたり嫌ったりしなくても、その辺りの人間が狐を恐れたり嫌ったりしてくるに違いありません。そういう人間は人間の姿をした狐が悪い魔法を使っているとか、病気になったり死んだり仲間・縁戚が狐に呪われたとか、そういう人の人生が狐に盗まれたとか思っているでしょう。そして、狐を殺そうとか狐の秘密な呪いを盗もうとか思っているかも知れません」

「あの琵琶法師のように、狐が長い時間人間の世界に住むと、狐の世界に戻るのは難しいかも知れません。狐の習俗より人間のを慣らしたり、狐の仲間より人間のが仲良くなったりしたでしょう」

「姉上の場合、人間の世界に住む時間は特に長くなかったが、夫がそんな若さに死んだし、赤ん坊が人間の世界に見捨てたので、狐の世界に戻るのはとても辛かったのです。人間との結婚を許さない狐もあって、赤ん坊を見捨てることを許さないのもありました。それに、姉上自身は自分自身に許さないようです。それで、姉上が狐の世界に戻ってきても、狐の世界に入ることはできなかったようです。他の狐の住処から遠くに自分の住処を掘り、その近くに人間の家のような建物を作りました。その二つの場所から姉上は今までも離れたくないようです。だが、いつも私に見捨てた娘とその娘の息子と今のゆきの状態を教える願いを繰り返します」

「二人とも、このことをよく考えなさい。考えた後で、まだ結婚したかったら、私はそれを許すか許さないか決まります」

老中は額を顰め、頭を下がりました。一方、狐子は声を上げました。「父さん、そういうことが分かったよ。昔からずっと考えている。伯母上のことを忘れることができると思っているの?それでも…」狐子は深く溜息をつき、目線を落としました。「それでも…何人間に興味のない狐でもより、こちらの老中さんと結婚したい。私のように人間が好きな狐があったら…でも、そんな狐はないらしい。あの琵琶法師でも人間の世界に住む興味はないようなの。私、うちに帰ってくると、すぐにいても立ってもいられなくなって、人間の世界に戻らないといけない。夫が人間の世界に住みたくなければ無駄なのよ」

老中は目線を上げないで声を上げました。「狐子さんが狐だと気づいた時、数週間狐子さんから離れて、そのようなことを考えました。それでも、その時間中、そういう考えは狐子さんの思い出と混じりました。狐子さんと再会する前に、捜しをやめてからも、他の女に会うと、狐子さんのことしか考えませんでした。心が罠に入っているようです。狐子さんと結婚しなければ、いつも結婚しないと思います」と言いました。

族長は「ふむふむ」と呟きました。

老中はようやく頭を上げました。「族長様、恐れながら、聞きたいことがございます」族長が頷くと、「狐の人間との結婚がそれほど大変なことのなら、お姉様はいったいどうして人間と結婚になりましたか?」と聞きました。

族長は深い溜息をつきました。「それは自分の話じゃありません。姉上自身に聞きなさい」

しばらくすると、会話が終りました。狐子は老中と一緒に出かけて彼の部屋へ歩いていきました。

闇の奥から声が上げました。「ほら!狐子の奴が人間を飼い馴らしたみたいだぞ!次はあれを乗るかな」と笑いと混じって言いました。

狐子は怒っているように怒鳴りました。「おい!半端者!目の前で言うべき!私があえて鬼と戦ったんだよ!君、住処を出かけさえすれば怖いじゃないか」と言うと、老中は狐子の腕を握りました。「狐子さん!落ち着いて!そんな者を聞き捨てた方がいい!」

狐子は老中を抱き締めました。「ごめんね。そんないじめ者のせいで、伯母上が谷の外で住処を掘ったと思う。それは私がここで残りたくない理由の一つに違いない」と狐子は言いながら、泣き始めました。

老中は狐子の背中を撫でました。「まあまあ、泣かないで。いつも元気な狐子はどこ?」

狐子は袖で目を拭って、老中を見上げました。「気をつけて。ここに来なかったらよかった。私か父上か八狐さんがいなかったら、決して部屋の外へ出てはいけない」

「心配しないで。今朝、八狐さんに会う前に、親子と言って、私が妖怪じゃないとその子に確認したんだ。問題ないだろう」と老中は言って、歩こうとしたが、狐子は彼の手を掴まれて、足を止めました。

「冗談じゃないよ!その子のことが良くても、人間が妖怪とその子に教えた者のように人間を気に入らない狐は多い。狐なら、いつも悪ふざけがしたいの。あの者たちのほとんどは父上の客を傷つけたくないだろうが、人間の弱さが分からないと思う。狐を傷つけないで人間を傷つける悪ふざけが多い」

「それに、父上を滅ぼすほどの人間が嫌い狐がいる。伯母上が人間と結婚したし、私がここより人間の世界にいたいし、父上は族長としては駄目だとあいつらは言う。それ以上、今度の得たいの知れない狐なんかひいては狐と結婚したいと言う人間なんかここに連れてくるなんて最悪だと言う。あなたが死ぬほど傷つけられればあいつらは高?ネいと思う。きっと気をつけて、お願いします!」

老中は狐子の顔をすっかり見つめました。そこで心配は恐れと混じっていました。「それなら、部屋の奥で話した方がいいんじゃないか?あいつらは聞いてるかも」

「うん」と狐子が言うと、二人は老中の部屋へ続きました。
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Richard VanHouten
ゆきの物語
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Postby richvh » Wed 12.05.2007 6:00 pm

Chapter 68.

第六諸ェ章
八狐との会話

翌日、老中が目覚めると、枕元に座わっているのは狐子でした。彼女の側に置いた角盆から美味しそうな匂いがしました。

二人が食べたり喋りたりして部屋を出ると、その外では八狐が待っていました。狐子は狐の姿に戻って立ち去り、老中は八狐を姫の家へついていきました。

歩きながら老中は声をしました。「八狐どの、狐子さんがお父様のことについて気になっているようです。あの方が私達をこちらに連れていらっしゃったせいで、族内の問題が山のように積もっていると言っています。どう思いますか」

「そうですか。多分、狐子様はあまりこちらにいらっしゃらないので、事態をよく存じないかもしれません。多分、私達が問題に近すぎておるので、狐子様はもっとはっきりお窺いになっておるかもしれません。しかしながら、族長様より強い狐はこちらの一家の内一匹しかおりませぬ。その二匹が力を繋ぎ合わせれば、一家の全員は族長を倒そうとしても倒せないのです」と八狐は答えました。

「そうですか。その方が族長に対して手を出せば、どうしますか」と老中は尋ねました。

八狐は数回尻尾を振りました。「そういうことは思えません。お姫様は力を掴む興味がないようでございます」

老中は眉を上げました。「お姫様だ、と…?お姫様はそれほど強いのなら、どうして谷から追い出されていますか」

「追い出されたことはありません。ただ、お姫様は狐の社会に戻りたくほどその内にもう住めないようでございます。他の狐のいじめのせいではなく、自分の心の不穏のせいで谷の上で住処を掘ったようでございます」と八狐は答えました。

老中はしばらく黙って歩きました。それから、「誰かが族長様に対して手を出すと、お姫様はどうすると思いますか。弟の族長様を手伝いますか、住処に残り結果まで待ちますか」と聞きました。

「そうですね」八狐は少し考えました。「そんな場合、族長様が倒される勝ち目が高くなければ、住処にお残りになるでしょう。族長様が倒されるところなら、どうするかと私でも思っております」

老中は頷きました。「それ以外、狐子さんは、一人で部屋から出かけるな、と言いました。自分かお父様か八狐どのがいなかったら、その中に残れ、と言いました。八狐どのは同意しますか」

「その通りです。族長を倒せない奴はその代わりに嫌いな人間に目的として悪戯してみるかもしれません」と八狐が答えてから、二人は姫の家へ向かって続けました。
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Postby richvh » Tue 01.01.2008 9:02 am

Chapter 69.

第六暑繽ヘ
姫の話

老中が家に着いて入っていくと、姫はその中に待っていました。「おばさま、おはようございます。恐れながら、お聞きにしたい事がございます」と老中は言いました。姫が頷くと、「おばさまはどうして人間とご結婚なさってきたのですか。狐子さんのように人間の事に興味深うございましたか、その他の理由がございましたか」と聞きました。

長い間を置いて、姫はようやく溜息をつきました。「こちらの話は弟にもしたことはありませぬ。でも、おぬしがその結果に縺れてきてしまったので、語ってやります」

「私は今の狐子より少しだけ年上でした。人間のことに興味がなかったです。実を言えば、人間に会ってしまうと嫌な感じがして、できるだけ早くあれから離れました」

「ある日まで」

「ある日、世界を渡り歩くと、森の中に切り開いた場所を見つけました。その中に、日本刀を持っている人間の男がいました。彼は影と戦うように踊っていました。私は立ち去ろうとすると、呪ったように剣の動きから目線を離れることはできませんでした。それでも、呪いの気配はありませんでした」

「どのくらいぼんやりと立ったか分かりません。ようやく、剣は鞘に戻られました。呪いが割れたようでした。あっという間に私が逃げましたが、背後で『あれ?誰かが?』が聞こえました」

「その夜、夢を見たのは踊っている刀しかありませんでした。翌日、歩きながら度々無意識的にその場所に戻って行ってしまいました。そのうちの一回、あの男はそこにいました。今度は刀むしろ長刀と踊っていました」

「今度も、彼の動きをついていく目しか何も動かせませんでした。今度も、踊りが終わると、私は瞬きなく逃げました。その夜も、踊っている武器の夢を見ました」

「数週間そのように続けました。各日、男は別の武器を使いました。だんだん武器より男について夢を見ました。だんだん、私にとって彼は異形むしろ格好いいようになっていました。だんだん、彼に会いたくなっていました」

「ある日、彼が踊るを終わると、私は逃げる代わりにこの姿に化けて、木の後ろから現れました。私が人間のことがあまり分からないので、着ている着物はそれまでのもっとも綺麗な着物を見たことがあったようでした」

「私を見ると、彼は膝をついて、『お姫様』と言いました。私は、『何を言っておりますか。私が姫などではございませぬ。ただ、普通の女でございまする』と答えましたが、彼は立ち上がりませんでした。『それを信じることはできません。あなたさまは姿も、衣服も、言い方も姫ようでいらっしゃいます』と彼は言い立てました」

「私はしばらくして何を言った方がいいか分かりませんでした。ついに、『何ゆえ毎日こちらで武器とお踊りになりますか』と聞きました。彼はびっくりと目線を上げました。『踊りはしません。ただ武器の練習をしていますよ。下手ですから、誰もいないところでそれをします』と言いました」

「『とんでもない!そんなに優美な動きを「下手」と呼ぶとは!それを見ると、止めないように祈っております』と私は言いました。「先生が恥ずかしくならせたくありませんのでこちらで練習いたします。そんなに下手な練習をあなたさまに見られることをごめんなさい』と彼は言いました」

「『それでも、私はこの練習が見たいから、許してください』と私が言うと、彼はようやく頷きました。

翌日、私がその場所に着き姿を化けると、もう草に広げている布がありました。私は木の間から出ると、男は布を指差しながら『そちらにお座りになってもよろしいですが』と言いました。そして、彼はその日の練習を始めました。それが終わると、彼が私の側に座ろうと願って、しばらく話し合いました」

「数週間そのように続けました。練習の後の会話はだんだん長くなりました。ある日、住んでいる村を私に見せたいと彼は言いました。その日、私は断りましたが、その後、彼はその願いを繰り返しました。ようやく、怖じ気付きながら私は納得しました」

「その日、彼が帰ると、私と一緒でした。産まれてから初めに私が人間の村などに入ることでした。同じように、その時までそれほどの人間に会ったことはありませんでした。彼以外の人間に会うと、まだ嫌な感じがしましたが、ですが、彼が私の側にいると、よかったです」

「家に着くと、家族に会いました。彼らのほとんどにも嫌な感じがしました。一人の妹はよかったです」

「その妹以外、彼らも私のことが嫌がっていました。それでも、その家族も私も丁寧に挨拶できました」

「できるだけ早く去らないといけないと思っている時、嫌でない妹は台所から湯を持ってきました。お茶を点てて私に茶碗を渡しました。お茶を口につけると、あっという間に嫌な感じが消えました。おまじないかと思いましたが、おまじないの気配はありませんでした」

「『素晴らしい』と言って、私は彼の父親に茶碗を渡しました。皆さんがお茶を飲んでから、部屋の中の機嫌はもっとよくなっていました」

「そちらに私を連れてきた男は声をかけました。『お父さん、この女の人と結婚したいんだよ』と言うと、『何!』と両親と私は同時に言いました。脈がドクンと走りました。心底に『私もしたい』と小さな声を聞きました」

「『息子や、このお嬢さんの家系はいったい何なんだろう?二人ともは毎日会っているのなら、お嬢さんはこの近くに住んでいるに違いない。しかし、この辺りの人々を全員知っているこの俺でも、今までそのお嬢さんに会ったことはなかった」

「『危ない!』と思いました。私は人間ではない=私は狐だ=と思ってほしくなかったです。それ以外思わずに、『ごめん』と呟いながら質問を忘れさせる呪いをしました」

「その後できるだけ早く無礼せずに立ち去りました。次の日、彼の修行を見ながら、彼が少しでも下手になったかと思いました。呪いが彼の腕を傷つけたかと思いました」

「その日、練習の後で会話をすると、彼と結婚すると納得しました。でも、実家に住みたくないと言いました。結婚する前に、自分の家を手に入れなかければなりませんでした。『しかし、それは駄目だよ。結婚している子供が年取った親と住んで、彼らにお世話をあげるのは親孝行なのだ』と彼は答えました」

「それを聞くと、胸の中に心が愛で膨らましました。この人と結婚しなければならない!なのに、愛より悩みは強かったです。ですから、やめろと言う心の中の声を聞き捨てた、また呪いをしました。今度は私と同意させるのでした」

「なにしろ、しばらくして彼は自分の家を手に入れて、私と結婚してきました。嬉しかったですが、残念ながら間もなく夫婦の間に争いが始めました。私と一緒に行くとか、綺麗な着物を買ってくれるとかような軽い事でも、私の言う通りをすぐにしてくれないと、また呪いました」

「そのように呪いが呪いの上に積もりました。武器練習はだんだん下手になりました。ようやく村人でも彼の不手際に気付いて、彼が病気になったと尋ねました」

「突然、殿からの使者が来ました。戦だから、侍が全員城で集まれと言いました。こんな状況なら、行ってはいけないと私は言いました。義務があるから、行くわけにはいかないと彼は答えました」

「私はまた彼に呪おうとすると、何も起りました。彼の義務は私の力より強いかと思いました。彼が行かなければならないのなら、その前に前の付けた呪いを溶けるべきだと思い知りました。間もなく呪いの溶けようとしましたが、何一つも溶けることができませんでした。どうか私の力が封じてきたようでした」

「泣きながら、彼の出陣を見ました。彼が戦没になると、私のせいに違いありません。どうして、どうして力が封じているのかと思いながら、その頃痛くなった胸を軽く摩りました」

「胸を摩っていると、ピンとわけが分かりました。胸が痛くなった理由というのは私が妊娠しているからでした。牝狐が妊娠になると、赤ん坊を守るために、産むまでほとんどの力が封じているということです。そういうわけで、呪うことも呪いを溶けることもできませんでした」

「彼が無事で帰ってくるように祈って来る日も来る日も待ちました。ようやく、彼が死んだという情報を受けました。それは私のせいに違いないと分かりました」

「その後の数週間は今までもあまり覚えません。どうにかこうにか彼の実家に住んできてしまいました」

「生き残りたくありませんでした。でも、彼の子のために生き残らなくてはいけませんでした」

「そこに残りたくありませんでした。でも、彼の子のために残らなくてはいけませんでした。人間の子供を狐の間に育てればなりません。私が愛している夫を何回も呪ったのなら、その人間が好きではない狐はこの子をそれより何倍厳しく呪うかとは思いたくありませんでした。ですから、実家に戻ってこの子を育てることなどできませんでした」

「それに、人間の世界に残って呪わないで子を育てる可柏ォがある自身はもうありませんでした。この子の世話を彼の両親に任せる道の他にはありませんでした」

「この子から離れたくありませんでした。でも、離れない道が見えませんでした」

「そのように葛藤がいっぱい生活でお腹が大きくなる時間を過ごしました。ようやく、産む時でした」

「産む痛みより子から離れる必要性は何倍も切なかったです。それでも、離れるために産まれた子を見るのも触れるのも拒みました」

「産むと、力の封が解けました。でも、私が狐であると分かってほしくなかったです。それで、夜中まで待って、こっそりと家を出ていって、わざと川まで足跡を作りました。そして、実の姿に戻って、こちらへ帰ってきました」

「でも、心の不安のせいで実家に残ることなどできませんでした。ですから、こちらの側に自分の住処を掘って一人で住んでいます。こちらは彼と一緒に住んでいた家のせっかく作った複製なのです」

「弟のおかげで、全然会わなかった娘と孫の命と死を知らせてもらいました。全ては私のせいに違いありません。天罰ですもの」と姫は言って、泣き出しました。

「まあまあ」と老中は声をかけました。「おばさまがご主人を傷つけなかったとは言わなくても、侍の妻の悪事のせいで国を滅ぼして殿を二人倒す天罰はないでしょう。その時の我がままな嫁が今の自粛しているおばさまとはとても違うと思います。いつも元気な後裔のゆき様に訪ねた方がいいと思います。そろそろ次の後裔を産むので、こちらに来たかってもできませんでした」

姫は泣きながら老中を抱きました。「できない。いけない」と何度も繰り返してしくしく泣きました。

老中は姫の背中を撫でました。「まあまあ、できますよ。行った方がいいですよ」と慰めました。

姫は泣き潰すようにしている長い時間中、老中はそのようにしました。泣き切った後で、その日の会話が終わったと姫は示しました。
Richard VanHouten
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Postby richvh » Sun 05.18.2008 3:36 pm

Chapter 70.

第七十章
狐との決戦

その夜中、老中がなぜか目を覚めました。どうしたと考えようとすると、悲鳴が繰り返しました。

「やめて!誰か、助けて!」狐子の声かと老中が思う瞬間、部屋の外へ向かって走っていきました。

部屋を出ると、狐子の姿はどこにも見えませんでした。狐の群が部屋の出口を囲んでいました。老中が足を止めて背後を振り返ると、もう出口への道を遮っている狐がいます。

「狐子さん!どこだ?無事か?」と老中は呼びました。

狐達は弾けるように冷笑をしました。「狐子めはここにいないぞ」と言う声が聞こえました。

「でも、ただいま狐子さんの声が聞こえました」と老中が言うと、また狐達は抱腹をしました。

「これ?『助けて!』」また狐子のような声が聞こえました。「それはこの家族を汚す人間のきさまに狙った餌だったんだぞ。そんな簡単な呪いできさまがその強い呪いで固く守っている部屋から誘い出したな」

老中は辺りを見回しました。(危ない!それほど多くの狐なら、勝ち目はない!)と思いました。早く考えて兵法を決めました。

「やれやれ。お前ら、怯えているみたいだな。人間がそれほど怖いのか?武器もなく防具もない人間を一人倒すために、二十数匹の狐が必要なのか?」と言って、腕組みして、首を傾げました。「それとも、俺みたいな汚れの生き物を一対一で戦うことは堪らないのか?」

老中が言うと、狐が一匹丸の中に歩きこみました。「黙れ、人間め!自分だけで百頭ほどの人間と戦うと、当然俺様の勝利だぞ。貴様が従姉をたらしこんだり伯母上を泣かしたりすることが許せない!」と言って、三本の尻尾を振り回しました。

「何を!誰かをたらしこむことはないぞ!狐子さんのことを言うなら、俺に出会う前に、人間の世界が興味深そうだ。俺より人間の世界が好きみたい。おばさまのことなら、質問を一つしかしなかった。返答はあんなに長い話になるとは驚いた。その後の涙は治す涙と思う。全部は俺のせいじゃない」と老中は言って、構えました。

「嘘をつくな!貴様のようなものが伯母上を『おばさま』と呼ぶとは許せない!くらえ!」と狐は言って、老中の喉へ向かって跳んできました。

(速い!速すぎる!)と老中は思って、横へ身を躱し、狐の体を掴みかかりましたが、握ったのは数本の毛しかありませんでした。相手に振り返ると、右腕に火の線のような感じがあって、何か温かい濃いものが流れている気がつきました。――血でした。

また相手が駆けてきて、また身を躱そうとしましたが、左足が動けませんでした。足が動けないから、老中は地に転がり落ちました。「何これ?」と言って、動けない足を見ると、草が足の回りに結っていることに気付きました。――呪っているに違いありません。

老中がたどたどしく立ち上がって、相手の行方を確かめるために見回すと、背後にいました。身をぎこちなく回して相手に向かうと、相手がもうそこから動いて見えませんでした。向こうへ振り返ろうとしましたが、今、両足が動けませんでした。見下ろすと、草はもう左足を膝までも、右足を足首までも結っていました。

突然、何か重いものが背中を肩の間に打って、前へ落ちさせました。足が動けないから、腰で身をかがめ手で転落を止めました。

目の前に草が両手へ動いていました。立ち上がろうとすると、何か重さが背中の上に叩き押していました。背中の上に立っていました。

もはや草は両手の回りで結っていました。指一本さえ動けませんでした。「狐子さん、ごめんなさい。部屋を出るなと言ったのに…」と叫びました。

相手は背中から飛び降りました。「黙れ、人間め!狐の名を汚すな!」と言いました。

「狐子さんのことなら全然汚すはしたくない」と老中が言うと、「また汚してやがるか?死ね!」と相手は答え、白い鋭利な牙だらけの口を広く開きました。

(仕方ない。何もできない。狐子さんといたいのに、ここに死ぬに違いない)と思って、頭を垂れて、目を閉じて、牙の感触を待ち受けました。
Richard VanHouten
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Postby richvh » Wed 06.11.2008 8:04 pm

Chapter 71.

第七十一章
狐子 の勝負

突然、耳慣れた声が聞こえました。「やめて!彼の髪の毛を一本さえ損なったら、決して許せない!」狐子が来たに違いありません。

声の方へ視野を向くと、囲んでいる狐の群れが老中へ向かって歩いてくる四本の尻尾の狐が見えました。

(ヨン本の尻尾!?近頃、三本目を与えられたっけ?それは本当に狐子かい?)と老中は思いながら、その辺りの囲んでいる狐は狐子から引き去っていました。狐子が丸の中に入ると、再び丸の穴が閉じました。

狐子は老中の側に着くと、前足で地面を叩きました。あっという間に、手足を結っている草は茶色になって、地面へ落ちました。

「部屋に帰った方がいい」と言って、狐子は相手に振り返りました。

老中は部屋の方へ向かって、その入り口の前にいる狐をそわそわと覗きました。「しかし…」

闇の中から声が聞こえてきました。「心配しないで、お客様を私に任せてください」その方へ向かうと、囲んでいる狐は歩いてくる姿から引き去っていました。八狐でした。「こちらへください」

老中は狐子をじろりと見ました。「しかし…」

「狐子様のことを心配することは必要ではございません。その方はただ若い狐の遊び方で従弟とお遊びなさいます。でも、そういう遊び方は人間に対して危ないです。こちらへどうぞ」

老中が八狐を近付くと、「この隣に座ってください。その勝負の終わりまで、この丸の中に入らなくてはいけません」と八狐は言いました。

それから老中は八狐の横に座って、狐子へ視線を向かいました。

狐子は一歩で一歩で相手に近付きました。「間抜け!父上の『人間のお客をいじめるな』という簡単な命令が分からないの?それとも、いじめるということは何だか分からないの?」

「何も分からない者は手前だぞ。いつもいつも人間の世界に住んで、家族の状態を知らなくなってやがったに違いない。族長の父親のおかげでこの数ヶ月以内位が増えて尻尾を二本つけたけど、父親は家族を人間のことに混じっているせいで傾いて、すぐに倒れるだろう。それで、父親の守りに頼れない。四本をしても、人間の間に住んだせいで俺様ほどの呪力を持たない」

「そうと思っているの?あんた、子供の頃から勝負をすると、いつも私の勝利だった。今も同じくなるに違いない。あんたの奴なんかから父上も何もの守りは要らないよ。実力を比べよう。かけてこい」と言うと、狐子はもう一歩従弟の方へ歩いていきました。

いきなり、狐子の回りにある草が人間の高さほど伸べて、狐子を掴もうとしているように彼女の方へ屈みました。でも、狐子を触れる前に、草の動きは留まって、相手の方へ向かっていきました。あっという間に、草は茶色に変えて、落とし散りました。

狐子はまた従弟の方へ一歩をしました。

今回、強い風が吹き始めました。暗い空から旋風が狐子の方へ垂れてきました。狐子に届く前に、旋風の先は相手の方に曲りました。あっという間に、旋風も消えて風も静まりました。

また狐子は一歩従弟に近付きました。

今回、狐子の回りに炎が跳ね上がって、狐子の姿を隠しました。突然、炎は相手まで広がって、焦げた毛の臭いがしました。

「狐子さん!」と老中が言って、立ち上げろうとすると、八狐は袖を掴んで、老中を止めました。「入ってはいけません。ここにお居座り、狐子様にお信じなさい」

老中が座ると、炎はもう消えました。狐子の様子には変化がないが、相手の毛はあちこち黒に染みました。今回、狐子が一歩進むと、相手は一歩後ろへ退きました。

次から次へ呪文の攻勢が狐子を脅しました。その度、攻勢は相手に歪んで、呪文は取り消しました。その度、狐子は一歩進んで、相手は後ろへ退きました。ようやく、相手は丸の縁に着いて、もう退かないようになりました。

鼻と鼻を触れて立って、従弟は背中に転がりました。「畜生!また、お前の勝だ。覚えているぞ」

「一つだけ聞きたいことがある。誰が父上を倒すと思っている?」と狐子は言いました。

「姫おばだ。誰もそう言っている。姫おばはこの前に人間に拉致されたから、人間のことが嫌いだ。だから、人間のことに混じっている族長を倒したいんだ」

狐子はしばらく呆然と座って、それから背中に転がって、ぴくぴく動いて、妙な音をしていました。

「狐子さん!大丈夫?」と老中は呼び、狐子のところに走っていきました。そこに着くと、狐子は抱腹絶倒のようにしていると気付きました。

少しずつ笑いは減りました。ついにまた話せるようになりました。「狐一君、あんたは本当に狐一のぼけだよ。姫おばが父上を倒したいなんて、人間に拉致されたなんて、そんなことはありえないよ」と言うと、人間の姿に化けて、立ち上がることを老中に手伝わせてくれました。

「しかし、誰もそう言っているよ」と狐一は抗議しました。

「そんなことなら、誰も姫おばの秘密を知らないから」と狐子は答えました。「私は一部だけ知らせてくれても、それはありえないと分かるよ」

「そうですとも」闇の中から声がしました。その方へ向かうと、二つの姿が丸に近付いてくるのが薄く見えました。「弟が昔から私に言っている通り、秘密を伝えた方がよさそうです。明日、全家族の会議をしましょうか?そこで、私の人間に対する罪を皆に口外します」話し手は尻尾を八本している狐でした。姫だったでしょう。

「よし。明日の昼でいい。狐一君、お前には何をしたらいいのか分からない」姫の供人は尻尾を七本していました。族長だに違いありませんでした。

「人間の世界に経験をした方がいいでしょう?」と姫は尋ねました。

「そうかもしれない。だけど、取り締まらないと…。狐子や、ゆき殿のところに戻ると、狐一も一緒に行く。ゆき殿と殿の夫が許せば、そこで一年間従ってほしい」

狐子ははっと息を飲みました。「お父さん、それは大変!この間抜けは人間の城などで問題をさせることしかしないだろう」

狐一も声を上げました。「問題をさせるのはこの人間好きな尻の軽い牝狐めだろう!彼女と行くなんかしたくない!」

「これは族長としての命令だ。この家族の人間に対しての憎しみが途絶えてもらいたい。この家族の敵はあの国の人間じゃない。この家族もあの国もの敵は妖怪なんだ。それで、お前の初めに、家族が人間に慣れて、人間の風俗習慣を習ってもらいたい。分かった?」

「あ、は、はい、族長様」と狐一は従順に答えました。

「分かりました、お父様」と言うのは頭を高く押さえている狐子の答えでした。
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Re: ゆきの物語

Postby richvh » Sat 06.28.2008 2:52 pm

Chapter 72

第七十二章
若殿との茶会

一方、ゆきは、若殿の父親がやってくるので、その準備を取り仕切っていました。

その間、日が沈んだ後、ゆきは部屋に戻って、寝台で寝転びました。

「お疲れ様で。おそれながら、今晩のお茶のお客様がすぐにいらっしゃるでしょうね。茶道の着物にお着替えをお手伝いさせてさしあげましょうか」と女将は言いました。

「ああ、もう、本当に疲れてしまった。今度、休みたい」とゆきは大きく溜め息を吐きました。「全てを揃えることがそれほど難しいとは思わなかった。机に座るしかしないと思ったのに、一日中城のあちこちに行って、誰かに会い、訪問の準備において必要なものが全部あると確認した。何かがないと、どう手に入れることや、他に何かがその代わりに使えるものがあるかどうかことを尋ねた。それに、ずっと赤ちゃんがお腹の中に蹴っている」

「今度のお客様を断りたがらないと存じます」と女将は答えました。

「え?誰かしら」とゆきが言うと、女将は単に「秘密です。もうすぐ分かるでしょう」と答えました。

ゆきは、客は誰だかと思いながら身を起こして女将に着替えさせてもらいました。すると、道具を整え始めました。

突然、後ろから声が聞こえました。「二人で茶会を楽しむのは久しぶりだな」ゆきは振り返ると、若殿は開いた戸に立っていました。

「あなた、今晩のお客様ですか」とゆきは驚いたように言うと、「違う。今度はお前の番だよ。そっちに座りなさい。俺がお手前をみせる。お前ほど上手じゃないが」と若者は答えました。

ゆきが座っていることを確認すると、若殿はお点前を披露しました。

ゆきがお茶を飲んでから、若殿は、「なんでそんな状態で城の見回りをしている?老中の部下に信じないの?」と尋ねました。

「信じるよ。ただ…ほとんどに茶会で会っても、誰がどこで何をすることをまだ知らないから」とゆきは答えました。

「やめるべきだ。お前のような位が高い者が自ら部下の職場に行くと、その場の全員の働きが留まってしまうんだから。それに、そんなに長い間自分の職場にいなければ、報告などが山ほど机に重ねる。それを分かって扱うのは我々の事実の仕事なんだよ」と若者は説明しました。「誰がどこで何かをするほど存知は要らない。誰かがどこかでそれをするほどのは充分だ。委細を部下に任せろ」

「なるほど。でも、報告を読むしかしないと、それが嘘をつくかどうか分からないでしょう?」とゆきは答えました。

「それは難しい。残念なことに、主が聞きたいと思っていることしかを報告しない部下が多すぎる。報告書を周密に読まないといけない。そして、その報告をする部下とよく会議し、できるだけ状況を確認すべきだ。そうすれば、嘘をばれるかもしれない。ばれると、できるだけそういう嘘はその部下のか、彼の部下からのかを確認すべきだ。嘘が大したものかどうかに応じて罰を与える」と若者は説明しました。

「なるほど。そうすれば、どうして私と一緒に国を旅したの?その間、そういう報告が山ほど机にあったでしょう?」とゆきは尋ねました。

若者は顏を赤らめて、俯きました。しばらくすると、頭を上げて、「一部はこの国を個人的に知りたかったこと。もう一部は新しい老中の能力を試したかったこと。残りは嫁ともっと仲良くなりたかったことだったんだ」

ゆきも頬を赤らめました。「そうなんですか?あっ!蹴ってる!感じますか?」というと、若殿の手を掴んで、お腹に優しく押しました。

障子の外に座っている女将はにっこりと笑いました。今夜の茶会は本当に良い考えだった。
Richard VanHouten
ゆきの物語
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Re: ゆきの物語

Postby richvh » Fri 07.04.2008 7:32 pm

Chapter 73


第七十三章
城への戻り

次の日、ゆきは若殿の勧めのようにしようと始めました。報告を読んだり、部下と若殿と会議をしたり、部下がしていることむしろまだしていないことを考えようとしたりしました。

その後の数日間、老中たちが城に戻りました。ゆきと若殿のところに連れていくと、その内には見知らない若者の姿がいました。

「狐子、本当にこんな姿をしなきゃの?服を着るのが嫌だ。あちこちに痒くなってしまっているからな」と若者は尻を掻いて言いました。

「狐一のバカ!この国にはこのお方の位が最高だよ!丁寧にしなさい!」と狐子は従弟に呟いてから、若殿に向かって会釈をしました。「殿様、こちらは私の従弟なのでございます。殿様が許したら、一年ほど彼はこちらで従って人間のことを少しでも習うようと父上がお願いしております。よろしくお願いします」そしてまた狐一に振り返って、促すように眺めました。

「俺は」と狐一は始めると、狐子の目線で刺したように口を止めました。「あ、いや、丁寧に、分かった」と俯いて呟いた後で、再び自己紹介を始めました。「僕は狐一と申します。よろしくお願いします」と言って、軽く一礼をしました。

「従弟をお許しください。まだ人間の習俗があまり分からないのです」と狐子は謝りました。

「やれやれ。従弟と申している。ゆき殿のも?」と若殿は言って、顎を撫でました。狐子が頷くと、若殿は続きました。「ゆき殿が家族がないと思っていても、縁戚がどんどん増しているようだな。狐だよね?」狐子はまた頷きました。「よし、その狐一とかいう者に職を与えることは老中に任せる」

老中は傷ついた腕を撫でました。「何か合っている位置を考えます」と言いました。

狐一は唾を呑みました。「姉さん、どうしよう?あいつは何か嫌な職に配属するに違いない」と狐子に言いました。

「構わない。そうならば、あんたのせいじゃない?」と狐子は言って、狐一に背を向け、ゆきと喋り始めました。

琵琶法師がにっこりと笑い、無言で光景を記憶の中にしまいました。なんと面白い話になる、と思いました。
Richard VanHouten
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