Learn Japanese with JapanesePod101.com

こそ

最近、「こそ」という言葉についていろいろと読みました。

基本的には、前に来る語を強調する働きをしますね。

  • 「今度こそ負けはしない!」

「からこそ」という、理由を強調するパターンもよく見られます。

  • 「かわいいからこそ、しかるのよ。」

ほかには「~ばこそ」という形で理由を表すこともできます。

  • 「住民が反対するのは、悪い影響を心配すればこそだろう。」

(ちなみにここで「ば」を使うのはおかしく見えるかもしれませんが、昔は「ば」は理由を述べることもできたのです。)

  • 「常住ならんことを思ひて、変化(へんげ)の理(ことわり)を知らねばなり。」
    (いつまでも何も変わることはないだろうと思い込んで、変化の道理を知らないからです。)

「一応認めるけど」という意味を持つ「すれ」「あれ」などをつけて使うことも多いですね。

  • 「感謝こそすれ、恨むことはあるまい。」

で、以上のいろいろな用法はまあいいですが、辞書にはもうひとつの用法が書いてあります。「ばこそ」は「まったくそうはならない」という意味も持っているのです。例として

  • 「押しても引いても動かばこそ」

という文が挙がっています。私は、どうして強い否定が意味できるのかがわからなくて落ち着けなくなったら、これをよく理解すべく検索エンジンで検索してみたところ、「~ばこそ(よく)あらめ」、つまり「~たらいいだろうけど」から略したものであることがわかりました。

  • 「たれもかぎりとなり、心地たがひて人事を知らざらばこそあらめ、…」
    (誰も最期を迎え、気分が悪くなり人事不省になったらいいのに、…)

こういう意味から、「~ばこそ」は決まり文句になって「まったくそうならない」という意味が生じたとの経緯です。

  • 「吹きと吹く 風な恨みそ(=風を恨むな) 花の春 紅葉も残る 秋あらばこそ」

昔から伝えられたパターンでもあって、昔は仮定条件は※未然形に接続したからここも未然形を使うわけです。(「急がば回れ」も未然形ですね。)ここまで調べたら、理解できなかったとはと思いました。口語でも、「たら」「ば」で言い切ると「~たらいいけど」という意味になることはなきにしもあらずですし。でも確かに、口語では「押しても引いても動いたら」だけでは終わることがないんですね、、、

もうひとつのことですが、昔は「こそ」という言葉が使われたら、必ずといっていいほど文末の活用語は「已然形」(今の仮定形と同じ形ですが、役割も変われば名称も変わったのです。前の「すれ」も実は已然形です)になるのです。すなわち人+こそ+多し=人こそ多けれ、ということです。昔は「こそ」がよーく使われていた言葉でもあって、今はありえない「~けれ。」で終わる文がたくさんたくさんあったのです。

※未然形(みぜんけい)は、日本語教科書でのいわゆる「ない形」および「意向形」などの、それぞれ「ない」「う」「よう」などが取れたものと同じもの。書く→かか・かこ、食べる→たべ、来る→こ、する→さ・し・せ、の類。未然とは、「未(いま)だ然(しか)らず」という意味で、つまりまだ起こっていないという意味です。これに対して已然形(いぜんけい)とは、「已(すで)に然る」形で、文語では過去形を作ることもできたのです(たとえば口語でよく使う「~における」という文型は、「おく」の可能動詞の「おける」ではなくて、「おく」の已然形「おけ」に、過去の助動詞「り」をつけた連語です)。

Support those who Support TJP!

Click here to learn Japanese with JapanesePod101.com